自作や実験に適したペルチェキットの紹介・比較
使い勝手、能力、価格のバランスがいいキット
OCE-KT314,850円(税込)-調査日時点
OCE-KT3は組み立て式のキットで、ペルチェ素子、放熱用のファン、ヒートシンク、電源が付属しています。
組み立て式といってもドライバー1本で組み立てられ、不慣れな女性でも15分ほどで組み立てられるものです。(組み立て方の写真解説)
組み立て式なのでペルチェ素子単体で使うこともでき、冷却と発熱の様子をみたり、熱による発電の実験に使ったりすることもできるなど、活用範囲が広いのも特徴です(組み立てた後に素子を取り出すことも可能ですが、手間がかかるので、単体で使うなら組み立て前にしましょう)。
別売りの熱伝導グリス(GR746)を使うと、冷却能力がなんと1.5倍も高くなります!(キット付属の熱伝導シートとの比較で。メーカー公表値)。あわせて買うことをおすすめします。
特徴
- 最大温度差:27K
- 実冷却能力:気温25℃時に0℃(温度差より2℃余裕を持った値で公表されています)
- 組み立て後のサイズ:60x60x75mm (OCE-KT3の寸法図)
- 重量:本体・約560g、アダプタ・約200g
- 電源付属(100Vコンセント用のACアダプタ)
- 電流:0.6A
- 電圧:9.5V(直流)
- 組み立て必要(ドライバー1本で15分程度)
- 5cm角の冷却面に2箇所M3のネジ穴が取り付けられており、器具の取り付けが可能
- 感想:素子単体での使用や観察、冷却機としての使用どちらにも使えるオールラウンダー。値上げされたため、冷却能力に対してちょっと割高。別売りの熱伝導グリスは結構多めなので、1つでキット2セットはいけます。
最強の冷却能力、組み立て不要のキット
DT-120612,430円(税込)-調査日時点
冷却能力が非常に高いペルチェキットです。廃熱・電源まで考慮された市販品としてはこれが最強です。
ペルチェ素子だけで探せばより大型で能力の高いものは入手できますが、それらは素子単体としての販売で、発熱側の廃熱機器や電源を別途用意しなければならず、設備のある工業用途や実験室でなければ使用は難しいです。
その点、このキットと上記のOCE-KT3は電源付属なのでコンセントさえあれば使用できますし、廃熱用のヒートシンクとファンがあるので長時間使用も可能です。
難点は組立済みの製品なので素子単体として使うのには不向き、サイズが大きいというところです。
ただ、組立てに不安があり冷却能力だけがほしいという方には、組立済みであることはメリットでもありますね。
OCE-KT3の価格変更によって、こちらのほうが安くなりました。
特徴
- 最大温度差:38K
- 実冷却能力:気温25℃時に-13℃
- サイズ:幅174mm×奥行123mm×高さ62.5mm(*販売ページでは174x124x60と書かれていますが誤りです) (DT-1206の寸法図)
- 重量:本体・約660g、アダプタ・約200g
- 電源付属(100Vコンセント用ACアダプタ)
- 電流:4.8A±0.2A
- 電圧:12V(直流)
- 組み立て済み
- 7cm角の冷却面の4方にM4のネジ穴があけられており、器具の取り付けが可能
- 感想:ファンはうるさいですが、価格、性能のバランスは最高!
ペルチェ素子だけ必要なら
ペルチェ素子-TEC1-127063,999円(税込)-調査日時点
素子単体が欲しいならこちらでしょう。直流電源装置が別途必要ですし、放熱できないので長時間の使用もできませんが、実験でペルチェの動作を見るだけならこれで十分。
耐湿シールされたペルチェ素子が10枚セットで4,000円を切っています。1個400円を切る破格の値段ですが、問題なく動作します。
性能には特に問題はなく、温度差により発電するゼーベック効果の実験も可能です。氷が入った容器とお湯が入った容器でペルチェを挟み込めば電力の発生が確認できます。
特徴
- 最大温度差 Tmax:66℃(!冷却能力とイコールではありません)
- 冷凍仕事率 Qcmax:51W
- 規格最大電流:6.0A
- 最大電圧:15.4V(直流)
- 標準電圧:12V(直流)
- サーモカップル:127個
- 抵抗:1.9~2.1Ω
- サイズ:40×40×3.9mm、導線:250-300mm
- 電源なし(直流電源装置が必要)
- 感想:1、2個動作がおかしいものが混ざる場合があるようですが、8個でこのお値段でも全く問題ありません(通常は10個とも問題ありませんし、不良品は販売するAmazonの規定により交換可能)。